いたずらっ子の夫婦

二人ともかなりのいたずら好きでした。
ある日のこと。
窓の外にスクーターでぶぃ〜んと帰ってくる彼が見えました。「・・・よしっ♪」
玄関の鍵をかけて入ってきます。「ただいま〜 あれ?いないのか???」
・・・私はドアの影に息を潜めて立っています。
ドアを開けた瞬間。
「うっわ゛ぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
私は何もしていませんよ。何も脅かしてもいませんよ(笑

ただ立ってるだけだったのにね。・・・その方が怖かったみたい(笑
いたずらの仕返し。

その日は彼のお帰りに気づかず、私はご機嫌で掃除機をかけていました。
掃除機をかけているのが外からでもわかったのでしょう、彼はそぉ〜っと鍵をかけ、
家に入ってきました。
そして、足音を立てないように私の後ろに立っていました。
さって終わった、と私が踵を返したら。
「うっぎゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
彼は何もしていません。何も脅かしてはいません。

ただ立っていただけ。ちっくしょぉ。しっかり仕返しされてしまいました。
大爆笑。

彼のお仕事のお手伝いで、作業部屋で木工作をしていました。
げらげら彼が笑っています。
お仕事手伝ってるのに、失礼なヤツ。
「鏡、鏡☆」・・・え?
木屑だらけの鏡をぬぐって覗き込んだら・・・
マスクに犬の鼻と口がマジックで描いてある。
大爆笑。
もちろん、次の日、彼のマスクにSEXYな真っ赤な唇を描いておいてあげました。
お客様がいらして、笑いをこらえながら指摘されるまで、一日そのマスクで
お仕事していたそうです。
窓越しに「こんにちは〜」と声かけていくご近所のかたがた。
なんて家だ、と思ったでしょうね。
きっとそれぞれのご家庭で夕ご飯の話題に上ったこと、間違いないと思います(笑
仲直りのきっかけは。

12年間、ケンカらしいケンカはしたことないのですが。
たいてい、私がギャー\(>。∂)/ギャ-喚いて泣き寝入り、がパターン。
で、朝に泣きはらした目で「おはよー」すると、コーヒーの香り。
「まずい、泣かしちまった」となると、彼は必ず翌朝コーヒーを淹れてくれる
人でした。
怖がりのくせに。

発作のあと、命拾いをして、彼自身病院生活にも慣れてきたころ。
ふ、と気づいたそうです。
毎晩、自分が眠りにつくころ、廊下をコツコツ歩く足音。なぜか耳につく。
「確かめてやろう」とある晩、廊下の足音が聞こえ始めたとき、廊下の角で待ち伏せ。
・・・コツコツ。角まで来た。覗き込んだら。

誰もいない


「ひゃぁ〜〜〜〜〜」ベッドに飛んで戻ったそう。
病院だもん、ひとつふたつ、怪談話はあるよねぇ。確かめに行っちゃだめよ(笑